昨今注目を集めている筋膜。世界的に研究が進められています。では筋膜って、一体何なのでしょう?様々な文献や資源から集めた定義を、ここに3通りにまとめてみました。
小:筋膜とは、体内にある、液体で織られた生きた布地です。この縫合システムは柔らかい繊維でできた吊棚のようなもので、体の内側をつなぎ合わせます。
中:筋膜とは繊維質で、ゼラチン状の体全体を覆うウェブ(蜘蛛の巣)のことです。この縫合システムが体に構造、保護、修復、感覚を、またこの繋がり合った柔らかい繊維の吊棚が、体に形状をもたらします。そして筋たんぱくと骨、靭帯、腱といったその他の結合組織構造をつなげているのです。
大:筋膜とは結合組織のシステムの中でも柔らかい組織の部分を指します。筋肉、骨、臓器、神経、血管やその他の組織を囲み、貫通しています。頭からつま先まで、前から後ろ、内側から外側まで三次元的に繋がり合ったウェブ(蜘蛛の巣)なのです。筋膜は体の構造を保ち、支持、保護、緩衝しているだけでなく、感覚神経の源とも言えます。筋膜は血行、リンパ 、生化学の工程において欠かせない役割を持ち、細胞間の伝達を起こす基盤を提供します。怪我をすると、筋膜は繊維の修復に必要な環境を作ります。筋膜とは密度の高い水平な筋膜のシート、(筋膜張筋や腸脛靭帯など)また関節や臓器の被嚢(ひのう)、筋肉の被包(ひほう)、靭帯、保帯(ほたい)、また腱膜、腱、筋筋膜、神経筋膜、その他、繊維質でコラーゲン質の組織全般を指します。
筋膜—Fascia(ファシャ)はラテン語で「バンド」、または「束」という意味です。筋膜の組織は
◉ コラーゲンとエラスチン繊維: 食肉を引き裂く時に見られる透明な、蜘蛛の巣のような繊維のこと。
◉ 常在細胞:
◦ 線維芽細胞 筋膜のウェブを形作る繊維を作る
◦ 筋線維芽細胞 収縮性のある細胞で、怪我をした筋膜を固める
◦ 筋膜の線維芽細胞 筋膜の基底質の化学天秤のバランスをとる
◦ 脂肪細胞 脂肪細胞で、クッションのような保護だけでなく内分泌の機能性を持つ
◉ 移住性の細胞:マクロファージとマスト細胞が免疫と炎症の工程に関与する。
◉ 液体:ヒアルロナン、グリコサミノグリカンと水分が潤って滑らかな環境を提供、組織間の滑りを助ける。
筋膜は構造的にこれらの働きを促す高速道路のようなもの。また痛みを感じる神経細胞を含んだいくつもの神経細胞が通っている。筋膜は神経が豊富なため、コミュニケーション組織という呼び方もある。(ヨガチューナップで度々使われる「自己受容性感覚」と深く関連しています。)
〜Jill Miller 著「The Roll Model 」から翻訳、抜粋
コミュニケーション組織と呼ばれる所以が奥深いです。
細胞レベルのミクロ〜マクロで存在する筋膜は役割がとても多いのは当たり前ですね。 だからこそその一部でも不都合が起きると歯車が噛み合わないように、調子がくるうのだと理解できます。
筋膜というと、筋肉の間に張り付くように存在する薄い膜、というイメージを今まで持っていたのですが、覆されました。 怪我をすると筋膜は繊維の修復に必要な環境を作る、というところが興味深かったです。
これまで、袋状だった筋膜のイメージが一気に変わりました!あらゆる組織に入り込み、関連し合っているのですね☆ 筋肉そのものだけでなく、筋膜も柔軟でないと動作に影響が出ることに納得です。
筋膜について、今までは筋肉を覆っている薄い膜というイメージしかなかったですが、体中を縦横無尽にかけめぐり、様々な役割がある、とても重要なものということがわかりました。特に伝達するというところが興味深いです。身体を知り、身体をケアするうえでもっと深く知らなければいけないと感じました。