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大変興味深い質問ですね。筋膜は液体であり個体でもあります。またコロイド,膠(こう)質としても知られています。筋膜はコロイドーコロイドとはゲルと乳剤、つまり液体の中に固体の粒子が浮いている物質のことを指します。本質的には、コロイドは繊維でもあり液体でもあるのです。筋膜の成分は細胞と細胞外基質(ECM)です。
 
〖豆知識〗
細胞外基質: 多糖体とタンパク質の複雑なネットワークで組織を作り細胞の活動を制御する
 
ECMは繊維であり液体でもあります。ECM繊維はコラーゲンとエラスティンでできていて身体全体を支え組織(足場)をもたらすのです。ECMの主なタンパク質であるコラーゲンは伸長性が強く引っ張ってもちぎれません。エラスティンはその名の通り伸縮性の高い繊維で筋膜に弾力性をもたらします。ECMはゼラチンで出来たスープのようなもので体内の隙間を埋めます。水分とヒアラルノナンのようなペプチドでできています。この中で血液、リンパと組織細胞間の交信が行われるのです。またこの成分は組織間を滑りやすくするのに非常に大切です。
 
筋膜のシームとは何?
組織が体内全てとつながっている中に特定の電流、又はリボン状の組織が通っており、 ここで張力とエネルギーが転換され、動きと安定をもたらしているのです。ジルはこれを「体内にある織物のような小さな縫い目」と呼んでいます。
 
 
筋膜は繋がり続ける-アナトミートレイン
 
このような筋筋膜の繋がりは「互いにつながりあった筋肉と腱の束」と記述されています。これはトーマス=マイヤーの「アナトミートレイン」の中で詳しく討議されています。その中でも主要な7つのラインをここで列記しました。
 
  • 浅部後部ラインー全身後部表面、足から頭までを繋ぐ
  • 浅部前面ラインー全身前部表面、足の上から頭蓋骨側面までを繋ぐ
  • 側面ラインー身体両側面を足真ん中から足首外側、脚と大腿外側、胴、肩下、首側面を通って耳まで繋ぐ
  • 螺旋のラインー身体のまわりに螺旋状に巻きつく。身体前面と後面両側で上半身側面と下半身反対側側面を繋ぐ。
  • 腕のラインー胸郭と背骨から肩と手を繋ぐ。
  • 機能的ライン – このラインは腕ラインから胴、反対側の骨盤と脚までを繋ぐ。
  • 深部前面ラインー身体深部コアの筋筋膜を形成する。
 
トーマス=マイヤーとジル=ミラーのコラボでロールモデルのボールを使い、これらのトレイン(筋筋膜の繋がり)を体感するライブイベントが開催されました。2020年夏にこのライブイベントと動画が閲覧可能となります。もっと知りたい方はこちらから登録可能です。

 

コメント

  1. FUMI says:
    2021-02-06 08:27:18

    こんにちは。 筋膜が固体、液体、コロイド状であることはわかりました。 見た目が違うのに、同じ「筋膜」と定義されたのが不思議です。 筋膜の研究の歴史にも興味があります。 アナトミートレーニングで、色々な形状の筋膜を拝見できるのを楽しみにしています。

  2. Junko says:
    2021-02-06 12:52:33

    今日のトレーニングで筋膜の構造や動画を見て実際の筋膜には様々なテクスチャーや形態があること、また、筋膜同士や臓器、筋肉が繋がって全体を構成していることも動画でよくわかりました。どこかで不調がある場合、別の場所(例:頭蓋骨内の筋膜)にその影響がみられるというのも驚きでした。そのことから、隣同士や部分部分が繋がって全体に繋がっていることはイメージできるようになりましたが、改めてこのブログを読むことで、違う視点で7つのラインで筋膜が繋がりづつけているという全体像を捉えることができました。機能的ラインのように離れた場所でも繋がっているというのが筋膜の映像と共に腹に落ちましたし、今後、ポーズをとるときや、ポーズを見るとき、には7つのラインも意識しながら行っていきたいと思います。

  3. KANNO MAIKO says:
    2021-02-15 01:08:24

    腰が痛い原因は腰ではないかもしれない。 例えばふくらはぎや、太ももなど違う場所が原因で腰痛が引き起こされているという話しがとても印象に残っています。 ボールで筋膜リリースはピッタリですね。

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